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2007.10.25

「一人の例外なく……」  理想を胸に

 休載していた間に、会のめざすことが改訂され、「一人の例外もなく支え、守り合う関係」をはっきりと打ち出しました。
 確かに、理想論のように解釈されて当然ではありますし、私たちがそこに到達するにはまだまだ力不足なのですが、この目標は会の活動をやってきて必然的に見えてきたものだと考えています。「すべての子」と言うよりも「一人の例外なく」と押し出すことで、単なるお題目ではないぞという意志が伝わりやすく、そして、いつどんな時にもこの「めざすこと」に合致しているかどうかを判断しやすくなります。
 換言すると、「一人の例外もなく」は「あなたが」に限りなく等しい訳ですから、それを子どもたちにも説明すれば理解されやすく、いろいろな出来事や事態や意見の食い違いやさまざまな行動に対して、基準や指標のようなものになり得ます。方向を見失いそうな時の灯台のような役割を果たす時もあるでしょう。
 ただし、これが「初めからありき」では「押しつけ戒律」あるいはドレスコードとなってしまって逆効果ですので、必ず毎回、同意や合意を得る努力が不可欠です。そうして初めて、努力目標ではなく、行動や意志をより具現化するための目標として息が吹き込まれます。そうすると、これが理想に近づくための確実かつ唯一の道に見えて来るのです。
 さて、実施前から多くの批判がありながら4月に行われた全国学力調査の結果が、昨日発表されました。結果をめぐっては今後もかまびすしく議論されることでしょう。このテストは小学校6年生と中学校3年生全員を対象に行われたはずのものでしたが、その全員は本当に全員なのでしょうか。ごく一部のことかも知れませんがLDやADHDの子が受検しないように促された話も伝えられましたし、そもそも特別支援学級の児童・生徒はその「全員」に入れてもらえたのでしょうか。都道府県によってそれらの対応が異なることは無かったのでしょうか。
 また、かつて労働者の人権を訴え奮闘する男性が帰宅し玄関から上がったとたんに憲法を脱ぎ捨て、妻に対して横暴になるといった話がありました。彼にとって妻子は「例外」だったのです。
 公共の福祉を見極めることは大変難しいですが、一人ひとりが「対等で民主的な社会とはどういうものか」を常に意識しながら「一人の例外もなく支え、守り合う関係」をめざす会を創り続けたいと思っています。

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コメント

コラムの再開おめでとうございます。
この2年間ずっと待っていました。また一つ夜の楽しみが増えたと喜んでいます。
会のめざすことは、理想論ではなく必然。そう言い切れるだけの数々の経験を積み重ねられてきたことを大変うらやましく、また頼もしく、うれしく感じます。
「めざすこと」のコピーを子どもの担任に渡したのですが、特に返事はありませんでした。その理由はいろいろに考えられますが、学校の現実があまりにかけ離れていて、何と答えてよいかわからない、というのが本音だったのだろうと思います。
これからも深く考えさせられ、共感でき、指針になるようなコラムを期待しています。

投稿: 西野陽子 | 2007.10.28 00:50

さっそくのご訪問とコメント、ありがとうございます。
冬の案内書プロフィールの原稿を先に出し退路を断ちながら配達ぎりぎりに再開という実に情けない状況で、再開の約束をしたはずの昨年の親子会から一年も経っているにもかかわらず、こうしてすぐにメッセージをいただけることに心より感謝いたします。以前よりも気張らずに軽く短くしようとは思いますが、今度こそ連載できそうです。世の中に疑問は山積、「本当に大切なもの」は何かをいつも意識して、考えを深めつつ子どもたちに負けずに成長し続けたいものです。

> 学校の現実があまりにかけ離れていて
確かにそういうところが多いでしょうね。ただ、初めは手間がかかるように見えても、やはり弱者や小さい声の存在を大切にする基本から始めないと、どうにもならないと思うのです。急がば回れで。

これからもご愛読と叱咤のほどを、よろしくお願いいたします。

投稿: でこぴん | 2007.10.29 20:36

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